「一時使用のための借地権の一事例」

最高裁判例
事件番号 昭和30(オ)297
事件名 建物収去土地明渡請求
裁判年月日 昭和32年2月7日

土地所有者が、その土地の一部を建物所有の目的で賃貸し、賃借人がこれに店舗を建築した後残りの部分に居宅を建築することを黙認していた場合に、契約の当初、右土地が特別都市計画法による区画整理区域内にありその一部が道路敷地となることに決定していたため、賃貸人は、右区画整理実施の時まで一時賃貸する意思で契約し、残りの部分についても最初の賃貸部分と同時に返還を受ける意思で使用を黙認し、賃借人も賃貸人の右意思を知りかつこれを承諾していたものであつて、契約書にも、期間を一年、賃料を一日五〇銭と記載した外、「臨時借受」の文字を使用した事情にあるときは、たとえ右建物が良好な資材を用いた本建築で、賃貸人がその建築を承認した上落成に際し祝品を贈り、かつ自ら右店舗を借り受け一年余にわたり使用していたなどの事実があつても右借地権は、期間を区画整理実施の時までとする一時使用のためのものと認めるのが相当である。

参照法条 借地法9条
羊不動産・立会人事務所株式会社